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「◯◯で検索」と誘導する広告が、いまも現役である意味

「(店名)で検索!」。検索窓のイラストにお店の名前が入った、あの広告です。新潟県内でも、看板やテレビCMで今なお見かけます。インターネット広告が全盛の時代に、なぜわざわざ広告費を払って「検索」へ誘導するのでしょうか。ここから、その理由をほどきながら、自社の名前で検索したとき何が出るかを確かめる手順まで書きます。

この記事に出てくる言葉
Googleビジネスプロフィール
Googleマップに出るお店の情報(写真・営業時間・電話番号・口コミ)を登録しておく、Googleの無料のサービスです。MEO対策は、ここを整えるところから始めます。
MEO対策
「新潟市 カフェ」のように地域名を付けて調べたとき、Googleマップの枠に出てくるようにすることです。地図と一緒に3件だけ並ぶ、あの枠のことを指します。
SEO対策
同じように調べたとき、地図の枠の下に並ぶ「サイトの一覧」に出てくるようにすることです。
画面のどこに出るか見る →

新潟でも、普通に見かける

私は新潟市で暮らしていますが、車を走らせていると「◯◯で検索」と書かれた看板を今でも見かけますし、地元のテレビCMでも、最後に検索窓が出て店名が打ち込まれる、あの演出は健在です。

これは、よく考えると不思議な広告です。看板もCMも安くはありません。その広告面を使って、商品の説明でも電話番号でもなく、「うちの名前を検索してくれ」とだけ言っているのですから。

しかも、この形式は昨日今日のはやりではありません。何年も前から使われ続け、今も新しい看板が立っています。効果のない手法が、広告の世界で何年も生き残ることは、通常ありません。使われ続けているという事実そのものが、この手法に手応えがあることの傍証です。

なぜURLではなく「検索して」なのか

理由は単純で、その方が行動してもらいやすいからです。

看板を見た人が、URLを覚えて、後で正確に打ち込む。これはほぼ起きません。QRコードは走行中の車からは読めません。それに対して「店名で検索」なら、覚えるのは店の名前だけです。信号待ちで、帰宅後に、寝る前の布団の中で、思い出せさえすれば検索できます。

つまり「◯◯で検索」という広告は、広告を見た瞬間と、行動する瞬間が離れていることを前提に設計されています。その場で電話させるのではなく、頭の中に名前だけ残して、あとの案内は検索結果に任せる。役割分担の広告です。

広告費を払ってでも誘導する=受け皿が機能している証拠

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。

「◯◯で検索」の広告は、検索した先にちゃんとした受け皿があることを前提にしています。検索して、公式サイトが出て、営業時間や商品や地図が分かる。そこまでつながって、はじめて広告費が回収できます。

逆に言えば、この形式の広告が現役で使われ続けているということは、「検索結果とホームページは、受け皿としていまも機能している」ということです。「もうホームページの時代ではない」「SNSだけで十分」という言説を耳にしますが、広告にお金を払っている側の行動は、その逆を示しています。お金の流れは、言説よりもはっきりしています。

そしてこの受け皿は、広告を出している会社だけのものではありません。広告を1円も出していなくても、あなたの店の名前は検索されています。看板を見た人、知人から名前を聞いた人、一度行ったことがある人、チラシを取っておいた人。「名前は知っている、詳しく知りたい」という人は、まず検索します。この、自分の名前で検索されることを指名検索と呼びます。

受け皿が弱いと、広告費が漏れる

指名検索をする人は、すでにあなたの店に興味を持っている人です。ゼロから探している人ではなく、名前まで知っていて、確かめに来た人です。見込みの濃さでいえば、いちばん濃い層です。

その人が検索したとき、何も出てこなかったら、どうなるでしょうか。あるいは、住所の載った登録サイトが1件出てくるだけで、営業時間も商品も分からなかったら。

その人は、隣に表示された同業他社を開きます。検索結果の画面には、競合が並んでいるからです。

これは、広告を出している場合には「広告費の漏れ」としてはっきり現れます。看板やCMやチラシで興味を持ってもらうところまでは広告費で買えたのに、最後の受け皿がないために、そこで取りこぼす。蛇口からバケツまでは引けたのに、バケツの底に穴が空いている状態です。広告を強化する前に、先に塞ぐべきはこの穴です。

広告を出していない場合でも、構図は同じです。口コミや紹介で名前が伝わるたびに、小さな指名検索が起きています。受け皿がなければ、その一つひとつが静かに漏れていきます。漏れた数は、どこにも記録されません。

自社の名前で検索して、確かめる手順

ここまで読んだら、実際に確かめてみてください。5分で終わり、費用はかかりません。

  • スマートフォンで、自社の正式名称を検索する。お客様の多くはスマートフォンで検索します。パソコンではなくスマートフォンで見てください
  • 「よくある呼ばれ方」でも検索する。正式名称と、お客様が実際に口にする呼び方が違うことはよくあります。略称やひらがな表記でも試してください
  • 1ページ目に何が出るかを書き出す。公式サイトはあるか。Googleマップの店舗情報(Googleビジネスプロフィール)は出るか。出てくるのは登録サイトやポータルサイトばかりではないか
  • 出てきた情報が正しいかを確かめる。営業時間・住所・電話番号・定休日。特に、昔の情報のまま残っているポータルサイトは要注意です
  • 初めての人のつもりで、知りたいことが分かるかを見る。場所・営業時間・何をいくらで提供しているか・どんな雰囲気か。この4つが検索から3タップ以内で分かるか

同名の会社や店が他県にある場合は、「社名+地域名」で検索されることも多いので、その組み合わせも試しておくと確実です。

受け皿を整える順番

確かめた結果、受け皿が弱かった場合の順番です。

① Googleビジネスプロフィールを正しくする

無料で登録でき、店名での検索に対しては表示されやすい、いちばん手前の受け皿です。営業時間・住所・電話・写真を正しく整えるだけで、指名検索の取りこぼしはかなり減ります。詳しくはMEO対策の基本の記事に書いています。整えたあと、情報を新しく保ち続ける手段が投稿機能で、その続け方は投稿のネタが尽きないつくり方にまとめました。

② 詳しい情報の受け皿として、ホームページを持つ

Googleビジネスプロフィールに載せられる情報には限りがあります。サービスの詳しい内容、料金の考え方、よくある質問、事例。「頼む前にもう少し知りたい」に答える置き場所がホームページです。SNSは情報が流れてしまうため、この役割には不向きです(SNSが不要という意味ではなく、役割が違うという意味です)。

③ そのうえで、広告や発信を考える

受け皿ができてから、注ぐ量を増やす。順番はこれが合理的です。逆にすると、増やした分だけ漏れます。

お断りしておくこと

2つ、お断りしておきます。

1. 「◯◯で検索」広告の効果を数字で示すことはできません

この記事の根拠は、「新潟県内で今もこの形式の広告を見かける」という観察と、「効果のない手法は広告の世界で長く生き残らない」という推論です。個々の広告が何件の検索を生んでいるかというデータを、当社は持っていません。持っていない数字を持っているかのように書くことはしません。

2. 指名検索は「表示されやすい」が、順位の保証はできません

自社の正式名称での検索は、その名前を正面から名乗るページが世の中にほとんどないため、競合の激しい一般的なキーワードに比べれば、基本を整えるだけで表示されやすい領域です。ただし、それでも順位を保証することはできません。検索順位を決めるのはGoogleであり、制作会社ではないからです。「上位表示保証」をうたう業者には、むしろ注意が必要だと思います。

なお、競合の激しい一般キーワード(「地域名+業種」のような検索語)については、考え方がまったく別です。それはキーワード設計の記事地域SEOの記事に分けて書いています。

読んだ方から聞かれること

「◯◯で検索」と広告に書けば、検索する人は本当にいるのですか?

何人が検索するかは広告や商圏によって異なり、当社が数字でお答えすることはできません。ただ、この形式の広告が長年使われ続けているという事実自体が、一定の手応えがあることの傍証だと考えます。効果のない手法が何年も広告に使われ続けることは、通常ありません。

自社の名前で検索しても何も出てきません。まず何をすべきですか?

まずGoogleビジネスプロフィール(Googleマップの店舗情報)への登録と、基本情報の整備をおすすめします。無料で登録でき、店舗名での検索に対しては早く表示されやすい傾向があります。そのうえで、詳しい情報の受け皿としてホームページを用意する順番が現実的です。

SNSのアカウントがあれば、ホームページは不要ではないですか?

SNSは有力な受け皿のひとつですが、営業時間・料金・場所・サービス内容を体系立てて置いておく場所としては不向きです。投稿が流れてしまうため、知りたい情報にたどり着きにくいからです。SNSとホームページは役割が違うので、置き換えではなく併用が基本だとみています。

検索結果に自社サイトを上位表示させることを保証してもらえますか?

順位を保証することはできません。検索順位はGoogleが決めるもので、制作会社がコントロールできるものではないからです。ただし自社の正式名称での検索(指名検索)は、競合がほとんどいないため、基本を整えれば表示されやすい領域です。この記事はその「基本を整える」部分を扱っています。

あの誘導文句が残っている理由

あの誘導文句が今も使われているのには、理由があります。

  • 「◯◯で検索」の広告は、新潟県内でも現役。使われ続けていること自体が、検索という受け皿が機能している証拠
  • 広告を出していなくても、あなたの店の名前は検索されている(指名検索)
  • 指名検索をする人は、いちばん見込みの濃い層。受け皿が弱いと、その人が隣の同業他社に流れる
  • まず自社名をスマートフォンで検索し、1ページ目に何が出るか、情報は正しいかを確かめる
  • 整える順番は、Googleビジネスプロフィール → ホームページ → 広告・発信。受け皿が先、注ぐのは後

今日、自社の名前を検索してみてください。それだけなら5分で、無料です。何が出てきたかを見れば、次にやるべきことはおのずと見えてきます。

「検索してみたが、この状態でいいのか分からない」というご相談も歓迎です

社名・店名をお知らせいただければ、こちらでも検索して、受け皿の状態と、直すなら何から手をつけるべきかをお伝えします。ご相談は無料で、ご依頼いただかなくても費用はかかりません。「今のままで問題ない」と見たときは、そのとおり申し上げます。売り込みはいたしません。

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