- ドメイン
- 「nextray.jp」のような、インターネット上の住所です。名刺やチラシに書くのはこれで、一度決めたら変わりません。
以前は、当社にも12ヶ月の縛りがあった
最初に書いておきます。当社も以前は、最低12ヶ月の契約期間をお願いしていました。
初期費用0円で先に制作する以上、すぐ解約されたら赤字になる。だから一定期間は続けていただく前提にする。理屈としては筋が通っています。月額制のホームページ制作では、12ヶ月や24ヶ月の最低期間を設けるのが、むしろ一般的です。
はじめから縛りを置かずにやってきた、という話ではありません。一度採用した縛りを考え直してやめたという話です。
なぜ縛りをやめたのか
きっかけは、自分の設計を自分で疑ったことでした。
当社の収益は、毎月の月額が積み上がるストック型です。この形の強みは「続けていただけなければ当社が損をする。だから公開後に手を抜けない」という構造にあります。お客様の成果と当社の都合が同じ方向を向く。それがこの仕組みの核です。
ところが、最低契約期間はこの核と矛盾します。期間で縛った瞬間、「成果が出ていなくても、お客様は12ヶ月払い続けなければならない」状態が生まれるからです。それは、成果で選ばれ続ける代わりに、契約書で引き留めているということです。
成果が出ないのに期間で縛るのは、私が目指している関係ではない。続ける価値があるから続けてもらう。価値がなければ、いつでも出ていける。そうでなければ、ストック型を選んだ意味がありません。だから撤廃しました。
率直に言えば、怖さもありました。縛りを外せば、当社の売上の見通しは不安定になります。ただ、その怖さは「毎月、解約されない仕事をし続ける」という当社側の緊張感として引き受けるべきもので、お客様に契約期間として負わせるべきものではない、というのが結論です。
残したひとつの条件は、3ヶ月以内の解約時のみ制作費
そのうえで、ひとつだけ条件を残しました。料金ページに書いてあるままを引きます。
当社の解約条件(これがすべてです)
初期費用は0円です。最低契約期間もありません。いつでも解約いただけます。ただしホームページ制作は、初期費用0円で先に制作しているため、ご契約日から3ヶ月以内に解約される場合のみ、制作費として198,000円(税別)を申し受けます。ご契約日から4ヶ月目以降の解約であれば、この費用はかかりません。起算日はご契約日で、サイトの公開日ではありません。
なぜこの条件だけ残したのか。初期費用0円は、制作費を当社が立て替えている状態だからです。もし条件が何もなければ、「無料でサイトを作らせて、完成した月に解約し、データを持って出ていく」という使い方が可能になります。そうなると立て替えた制作費は丸ごと当社の損失で、まじめに続けてくださるお客様のための仕組みが、仕組みごと壊れます。
198,000円(税別)という金額は、その場合に限り制作の実費相当をいただくものです。ペナルティや違約金として上乗せした金額ではありません。
この条件の設計を分解する
細部にも意図があるので、分解して書きます。
なぜ「3ヶ月」なのか
制作費の立て替えを守るための最小限の線として引きました。12ヶ月縛るのと3ヶ月の条件付きとでは、お客様が負う拘束の重さがまったく違います。4ヶ月目以降は、理由を問わず、費用なしで解約できます。そこから先は、純粋に「続ける価値があるかどうか」だけで判断していただく期間です。
なぜ起算日を「契約日」にしたのか
公開日を起算日にすると、制作が長引くほどお客様の拘束期間が延びてしまいます。それでは当社側の都合で条件が動くことになる。契約日起算なら、条件が動く余地はありません。お客様が最初に把握した日付のまま、最後まで変わりません。
「のみ」に意味があります
費用が発生するのはこの1パターンだけです。更新の解約手数料、データの引き渡し料、移管の作業費。そういった名目の費用は、一切ありません。例外がひとつしかないから、1段落で書き切れます。解約条件が1段落で書き切れない契約は、それ自体がひとつの警告だと私は思っています。
解約条件を先に書くことが、信頼になる
この条件を、当社は契約書の奥ではなく、料金ページの料金のすぐ下に書いています。この記事でも冒頭に書きました。理由は単純で、お客様が契約前にいちばん知りたいのは「やめるときにどうなるか」だからです。
入口の条件は、どの会社も大きく書きます。初期費用0円、月額いくら。しかし出口の条件(解約したらいくらかかるのか、データはどうなるのか)は、契約書を読み込まないと分からないことが少なくありません。そして揉めごとのほとんどは、出口で起きます。
逆に言えば、出口の条件を入口で言える会社は、出口に後ろめたいものがない会社です。当社が解約条件を先に書くのは、誠実さの演出ではなく、「先に書けるような条件しか作らない」という自己拘束のためです。書けない条件は、作らない。この順序で考えると、条件そのものがシンプルになっていきます。
同じ考え方で、取引先に対する姿勢のほうも先に公開しています。中小企業庁のパートナーシップ構築宣言で、支払条件や共存共栄について何を約束したのかを書きました。
出口で人質を取らない
解約条件とセットで書いておくべきことがあります。解約したあと、サイトとドメインがどうなるかです。
当社では、解約時にドメイン・サイトデータ・管理画面のIDをすべてお渡しします。制作したデータの著作権もお客様に帰属します。引き止めの営業もいたしません。
これを明言しているのは、業界には逆のケースがあるからです。ドメインの名義が制作会社になっていて持ち出せない。データは渡せないと言われ、乗り換えるならサイトをゼロから作り直すしかない。「乗り換えたくても人質に取られて動けない」という状態です。月額が安く見えても、出口が塞がれているなら、それは安さではなく退出コストの前払いです。
期間で縛らない・出口で人質を取らない。この2つが揃って、初めて「いつでも解約できます」は本当になります。片方だけでは意味がありません。
他社の契約書を見るときのチェックポイント
最後に、この記事を当社の宣伝で終わらせないために。月額制のホームページ契約を検討するとき、どの会社に対しても確認してほしい点を挙げます。
- 最低契約期間の有無と長さ ある場合、期間内に解約したら何がいくらかかるか
- 自動更新の仕組み 更新のタイミングと解約を申し出る期限(「更新月の◯日前まで」の見落としが揉めごとの定番です)
- 解約費用の名目と金額 制作費の精算なのか、違約金なのか。金額の根拠を聞いてみてください
- ドメインの名義 自社名義か、制作会社名義か。ここは契約前に必ず確認を
- データの引き渡し 解約時にサイトデータをもらえるか、費用はかかるか
- 起算日 期間の数え始めが契約日か公開日か。制作が長引いたときに差が出ます
これらに即答できる会社なら、条件がどうであれ、少なくとも誠実に設計されています。答えを濁す、契約書を見せたがらない、口頭でしか説明しない。そちらのほうが、条件の中身より危険な兆候です。
読んだ方から聞かれること
本当にいつでも解約できますか?
できます。最低契約期間はありません。ただし初期費用0円で先に制作しているため、ご契約日から3ヶ月以内に解約される場合のみ、制作費として198,000円(税別)を申し受けます。ご契約日から4ヶ月目以降の解約であれば、この費用はかかりません。起算日はご契約日で、サイトの公開日ではありません。
なぜ3ヶ月以内の解約だけ制作費がかかるのですか?
初期費用0円は、制作にかかる費用を当社が先に立て替えている状態だからです。制作だけを受け取ってすぐ解約する形が可能だと、立て替えた制作費が丸ごと当社の損失になり、この仕組み自体が続けられなくなります。制作費198,000円(税別)は、その場合に限り実費相当をいただくものです。
解約したら、サイトやドメインはどうなりますか?
すべてお渡しします。ドメイン・サイトデータ・管理画面のIDをお渡しし、制作したデータの著作権もお客様に帰属します。引き止めの営業もいたしません。「乗り換えたくてもデータを人質に取られて動けない」という状態は作らない方針です。
解約の手続きは面倒ではありませんか?
解約のご連絡をいただければ手続きを進めます。電話やメールで結構です。「解約は書面で90日前までに」といった手続き上のハードルを設けて実質的に縛る、ということはしません。データの引き渡し方法は、ご契約前に書面でご確認いただけます。
縛りを外すために変えたこと
縛りを外しても困らない作り方に、先に変えました。
- 以前は当社にも12ヶ月の縛りがあった 考え直して撤廃した
- 縛りは、ストック型の核と矛盾する 成果で選ばれる代わりに契約書で引き留めることになる
- 残した条件はひとつだけ ご契約日から3ヶ月以内の解約時のみ、制作費198,000円(税別)。4ヶ月目以降は費用なし
- 出口の条件は入口で言う 先に書けるような条件しか作らない、という自己拘束
- 出口で人質を取らない 解約時はドメイン・データ・IDをすべてお渡しする
縛りをなくすというのは、お客様への優しさというより、当社が自分に課した緊張感です。いつでも解約できる状態で選ばれ続けること。それができないなら、この商売のやり方が間違っているということです。毎月、その審判を受けながら仕事をしています。