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お客様への連絡文で気をつけていること|読み手の手間を最小にする

この記事は、当社の得意なことの話ではありません。実際にお客様から指摘を受けて、直してきたことの話です。ホームページ制作の仕事は、作る技術と同じくらい、メールや連絡文のやり取りでできています。当社が指摘から学んだ4つの原則を、失敗の中身ごと書きます。発注する側の方には、やり取りの丁寧さで制作会社を見極める視点としても使っていただける内容です。

きっかけは、お客様からの指摘でした

ある時期、当社はお客様への連絡文について、指摘をいただいたことがあります。どなたからとは書きませんが、趣旨はこうでした。お客様への配慮が足りない。直せば次につながる。

率直に言えば、当時の私は、連絡文を「用件が正確に書いてあれば十分」と考えていました。作るものの品質には気を配っていても、それを運ぶ文章の品質には、同じだけの注意を払っていなかったのです。

指摘を受けて自分の送った文面を読み返すと、確かに「〜しておいてください」という依頼形が並び、受け取った側が何をどう返せばいいのか分かりにくい文章でした。書く側の手間を減らして、読む側に手間を渡していたのだと思います。

そこから、連絡文の書き方を仕組みとして直しました。柱は「読み手の手間を最小にする」という一点で、具体的には次の4つの原則です。

原則① 「〜しておいてください」を減らす

まず減らしたのが、この表現です。「写真を選んでおいてください」「文章を確認しておいてください」。

丁寧語なので、一見、問題はなさそうに見えます。ですがこの形は、何を・どの範囲で・いつまでに・どうやってやるのかを、すべて相手に考えさせる構造になっています。受け取った側は、作業の中身を自分で定義するところから始めなければなりません。忙しい経営者の手元で、こうした依頼は後回しになり、たいてい止まります。そして止めた側に、申し訳なさだけが残ります。

いまは、依頼を送る前に自問します。この作業をこちらで分解してから渡せないか。

「写真を選んでおいてください」なら、「候補を6枚に絞りました。この中から3枚お選びください。迷われたら、当社のおすすめは1・4・6枚目です」に変えられます。相手のやることは「選ぶ」だけになり、最悪おまかせでも進みます。考える手間はこちらが引き受け、判断だけをお願いする。この分担が原則です。

原則② 確認依頼は、1分で返せる形にする

制作の途中では、お客様への確認が何度も発生します。営業時間、料金表記、写真の使用可否、文章の言い回し。この確認の設計が悪いと、返事を待つ時間がそのまま制作の遅れになります。

目安にしているのは、「受け取ってから1分で返せるか」です。

「営業時間はどうしますか?」のような白紙の質問は、1分では返せません。相手は考え、調べ、文章にまとめる必要があります。そうではなく、こちらで案を作って、はい・いいえで答えられる形にします。「営業時間は、店頭の看板に合わせて10時〜19時・水曜定休としました。違っていればご指摘ください」。合っていれば「OKです」の4文字で済みます。

確認事項が複数あるときは、番号を振って箇条書きにし、1通にまとめます。文章の中に質問を埋め込むと、確実にいくつか読み飛ばされます。これは相手の不注意ではなく、書き方の問題です。番号が振ってあれば、相手も「1はOK、2はこう直して」と番号で返せます。

原則③ 期限は、理由とセットで明示する

以前の私は、期限を書くことを失礼だと感じて、「お手すきの際にご確認ください」と書きがちでした。これは優しさのつもりで、実際には不親切でした。

期限のない依頼は、相手の頭の中に「いつかやること」として置かれ続けます。いつやればいいのか分からないものは、優先順位がつけられず、かえって負担になります。そして進行が遅れたとき、どちらのせいとも言えない気まずさが生まれます。

いまは、期限と、その期限である理由をセットで書きます。「◯日までにお返事をいただけると、今月中の公開に間に合います」。理由があれば、期限は圧ではなく、相手が自分の予定を立てるための情報になります。あわせて「難しければ調整しますので、お知らせください」と逃げ道を添えます。守れない期限を黙って抱え込ませないためです。

ひとつ注意していることがあります。急かす言葉や、責める言い回しは、理由があっても書かない。「まだお返事をいただけていませんが」ではなく「先日の件、途中でしたらこの返信は不要です」と書く。同じ催促でも、読み手に残るものがまったく違います。

原則④ 送信前に、相手の立場で読み直す

最後の原則は、送る前の工程です。書き終えた文章を、書いた人としてではなく、受け取る人として読み直します。

読み直すときの観点は、決めてあります。

  • 宛名・社名・お名前は正しいか。いちばん基本で、いちばん取り返しがつかない部分です。当社は入力し直さず、原典からコピーして使うことを決まりにしています
  • 専門用語をそのまま使っていないか。「ドメイン」「サーバー」「メタ情報」。当社には日常語でも、お客様にとっては外国語です。使うなら必ず言い換えを添えます
  • 相手のやることが、具体的に書いてあるか。読み終えた相手が「で、私は何をすればいいのか」と思う文章になっていないか
  • 事実だけを書いているか。進捗や状況を、実際より良く見せる表現が紛れ込んでいないか。小さな誇張は、あとで必ず信頼の負債になります
  • 読み手を責める言葉がないか。急いでいるときほど、これが紛れ込みます

数十秒の工程ですが、この読み直しで書き直しにならなかった連絡文は、ほとんどありません。一度で伝わる連絡は、往復を減らします。結果として、お客様の時間も当社の時間も守られます。

発注側から見た「連絡文で制作会社を見極める」視点

ここまでは当社の反省と実践の話でしたが、裏返すと、発注する側が制作会社を見極める視点になります。ホームページの制作は数ヶ月、その後の運用は年単位の付き合いです。やり取りの質は、その全期間の快適さを左右します。

契約前のメールや提案の段階で、次の点を見てみてください。

  • 依頼や質問が、答えやすい形になっているか。「ご要望をお聞かせください」と白紙で丸投げされるのか、選択肢や例を添えて聞かれるのか
  • 期限や次の予定が、理由つきで示されるか。「また連絡します」で終わる会社は、契約後の進行も見えにくいことが多いです
  • 専門用語に言い換えが添えられているか。契約前から用語が通じない相手とは、制作中の意思疎通はさらに難しくなります
  • こちらの社名・名前を正確に書いてくるか。細部ですが、細部だからこそ、仕事全体の精度が表れます

重要なのは、契約前の連絡は、その会社のいちばん丁寧な状態だということです。この段階で読み手への配慮がなければ、契約後にそれ以上になることは、まずありません。

できていなかったほうの話

胸を張って「当社はできています」と言うための記事ではありません。順序が逆で、できていなかったから指摘を受け、直したという話です。

そして、今も完璧にできているとは言いません。急いでいる日ほど、古い癖は戻ってきます。だからこそ当社は、この4原則を心がけではなく工程にしています。送信前の読み直しを飛ばさない、社名は原典からコピーする、確認は番号つきの箇条書きにする。意志に頼らず、手順に組み込む。心がけは忘れますが、手順は残るからです。

連絡文の書き方に、当社だけの特別なノウハウがあるわけではありません。ここに書いたことは、読んだ方がご自身の商売で、今日からそのまま使えるはずです。そのために書きました。

あとから聞かれることが多い点

「〜しておいてください」という表現は、なぜ良くないのですか?

言葉として失礼というより、相手に丸投げになりやすいからです。何を・いつまでに・どうやってやるのかを相手に考えさせる構造になっており、受け取った側の手間が大きくなります。当社では、作業を具体的な選択肢や手順に分解して、相手は選ぶ・確認するだけで済む形にしてから送るようにしています。

「1分で返せる確認依頼」とは、具体的にどういう形ですか?

こちらで案を作り、相手はそれに対して「はい」か「直したい点」を返すだけで済む形です。たとえば「営業時間はどうしますか」と白紙で聞くのではなく、「現在の看板に合わせて10時〜19時としました。違っていればご指摘ください」と送ります。考える作業をこちらが引き受け、判断だけをお願いする分担です。

期限を書くと、急かしているようで失礼になりませんか?

書き方次第だとみています。期限だけを突きつけると圧になりますが、理由とセットで書けば、相手が自分の予定を立てるための情報になります。「◯日までにいただければ、今月中の公開に間に合います。難しければ調整しますのでお知らせください」のように、理由と逃げ道を添えるようにしています。

制作会社とのやり取りで、どんな点を見れば良い会社か分かりますか?

契約前の連絡文をよく見ることをおすすめします。依頼が具体的で答えやすいか、期限に理由が添えられているか、専門用語をそのまま使っていないか。契約前の連絡は、その会社のいちばん丁寧な状態です。この段階で読み手への配慮がない場合、契約後の作業の進め方も同じである可能性が高いとみています。

柱は、読み手の手間を減らすこと

整理します。柱は「読み手の手間を最小にする」の一点です。

  • 「〜しておいてください」を減らす。作業を分解し、相手は選ぶ・確認するだけの形にして渡す
  • 確認依頼は1分で返せる形にする。白紙で聞かず、案を添えて、はい・いいえで答えられるように。複数あれば番号つきの箇条書きで1通に
  • 期限は理由とセットで明示する。期限のない依頼はかえって負担。逃げ道も添える。急かす言葉・責める言葉は書かない
  • 送信前に、受け取る人として読み直す。宛名と社名、専門用語、相手のやること、事実かどうか。心がけではなく工程にする
  • 発注側にとっては、これらがそのまま制作会社を見極めるチェックリストになる。契約前の連絡は、その会社のいちばん丁寧な状態

これらはすべて、お客様からの指摘が出発点でした。指摘してくださる方がいたことは、当社にとって幸運だったと思っています。この記事が、どなたかの明日の1通に役立てば幸いです。

やり取りの進め方も含めて、確かめてからご判断ください

当社への相談は無料で、ご依頼いただかなくても費用はかかりません。この記事に書いた連絡の仕方を実践しているかどうかは、最初のメール1通でご確認いただけます。確認していただいたうえで「合わない」と感じられたら、遠慮なくお断りください。そのあとに営業のご連絡はいたしません。

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